JC、入りません?(4)

| コメント(0) | トラックバック(0)

 この年に私が所属した委員会の委員長は「ドサクレですけどよろしゅうたのんます!」が口癖の、優しくて器の大きい人でした。当初は適当にやろうと思っていたのですが、次第に「この委員長のために一丁やったろう」と思い始めまして、かねてから暖めていた事業の提案をしてみました。

 それは「ドイツのボードゲームを地域の子どもたちに紹介して、ゲームを通じて社会性や協調性を育む」という事業でした。その少し前から私はこのドイツのボードゲームにハマっていまして「これは子どもたちの教育に使える!」と確信していました。テレビゲームと違って、点数も自分で計算するし、ルールも自分で把握しなくちゃならないし、負けてリセットもできないし、とにかく楽しく遊びながらこれほど脳を使い、人間関係も学べるものはないだろうと思ったのです。
 委員長はじめ、委員会メンバー全員がそれに賛同してくれまして、JCに入って初めて「自分のやりたい事業」をやることになったわけです。

 それから、メンバーと一緒に地域の児童館を巡り、子どもたちと一緒にゲームをして宣伝したり、学校にチラシを配付したり、PRできるところはどこにでも出現したりと、とにかく一生懸命この例会をPRしました。今まで正直「面倒だな・・・」と思っていたPR活動でしたが、今回は自分でも信じられないくらいに楽しくて、全くといっていいほど苦になりませんでした。

 さて、そんな中、事件が起こりました。ボードゲームの次に私たちが担当する7月例会の計画が遅々として進んでいなかったのです。委員会もろくに開催できず、事業計画の完成度も低く、理事会で審議を取り下げてもらう有様でした。委員会として勢いはありましたが、うまく歯車がかみ合っていない、そんな状況でした。

 そして3日後にボードゲームの例会を控えた5月の理事会議・・・。予想通り7月例会に対する厳しい意見が並びました。その中の一意見に私の血管がぶち切れそうになりました。

 以下、当時私が理事会後に委員会MLに流した文章をご覧下さい(一部伏せ字)。

「ゲーム『なんか』やってる場合じゃないと言いたい」
という**さんの発言がどうしても許せません。
例会まであと数日というこの時期に、
理由はどうであれ**がすべき発言だとは思えないのです。

7月例会の計画書が不十分だからでしょうか。
委員長所信に合致してないからでしょうか。

もしそうならそのことだけを指摘すればよいわけで、
5月例会を引き合いに出し、しかも「ゲームなんか」呼ばわりするのは、
あまりにも今まで準備してきたメンバー、そして協力してくれた
**さんに対して失礼だと思います。

「ボードゲームなんかつまらん」と思われるのは
個人の自由ですから、別に構いません。

でも、それを理事会の場で、「~なんか」という
明らかに見下すような表現で発言したということが
悔しくて悔しくて仕方ありません。

これも修練だというのなら、
私はもう青年会議所で活動していく自信がないですし、
もっと自分の好きなことで地域貢献ができる手段を
模索したいと思います。

 いやー、かなり怒ってますね(^^)。それだけこの例会に対する思いも深かったんです。

 ま、その発言をされた方も「人間」ですから、たまたま虫の居所が悪かったのかもしれません。また、我々に渇を入れる意味で、敢えて憎まれ役になったのかもしれません。ですから、今は別に何とも思っていませんし、むしろ、当時の委員会に対して「何度同じ事言わせるんだ!」って言いたくなる気持ちも分かるんです。ただ、やはり、「言い方」って大事だなって思います。相手に届かなければ何の意味も無いですし。私は教育に携わる仕事をしているので、余計そう思うのかもしれません。

 その怒りをバネに変える・・・タイプではないので(アンチ体育会系、アンチ熱血なので)、特に意識せず例会に臨みました。結果、たくさんの親子に来てもらい、「こんな面白いゲームがあったんですね」との言葉もたくさんいただき、大成功を収めました。「やりたいことを一生懸命やり遂げると、こんなにも心地がよいものなのか」と今さらながら実感した例会でした。

 その後、更に事件が起きます。なんと委員長が行方不明になってしまったのです。詳しいことは未だに謎なのですが、とにかく、委員長が急にいなくなってしまったのです。7月例会はどうなる?その後の例会はどうする?ものすごい不安が襲ってきました。そして実際、その不安は現実のものとなり、毎回の理事会や事業を溺死寸前で切り抜ける有様でした。

 委員会なんてまともに開催できませんでしたし、執行部や理事会の意見もほとんど反映されず、お情けで審議を通してもらうことすらありました。「このままじゃいけない」とみんなが感じていましたが、とにかく体制を立て直す間もなく年度が終わってしまいました。

 ただ、今、こうして振り返ってみると非常に多くのことを学んだ年だったと思います。まさに「修行の一年」でした。ボードゲームの例会では、事業を企画する本当の面白さや他の団体とコラボレートすることの大切さを知りましたし、何よりも「委員会をちゃんと開催する」というごく基本的なことがいかに重要であるか骨身に染みて感じることができましたし。
 結局、近道は無いんですよね。地道に委員会での話し合いを重ねて積み上げた例会に勝るもの無し、です。

 その次の年は、初めて副理事長を務めることになりました。副理事長と言えば、委員会の指南役ですから、前年の反省を生かして、「地道にしっかりと委員会を運営する」ために力を注ごうと思いました。

 で・・・やっぱりこの年もドラマがあるわけです(^^)。これだけドラマチックなJC、あなたも入ってみませんか? 

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://fussajc.com/mt5/mt-tb.cgi/321

コメントする