謝辞にかえて

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「ツグミ」としての誇り

「托卵(たくらん)」という言葉をご存知でしょうか?

 カッコウという鳥は、自らの卵を産む時、ツグミなど他種の鳥の巣に産み落とします。ツグミの巣の中で卵からかえったカッコウの雛は、ツグミの親鳥から供給されるエネルギーを独占するため、ツグミの雛や卵をことごとく巣の外に排除します。それでも、ツグミの親鳥は、一向に欺かれていることを知らず、ただ本能のうながすまま、巣の中の雛を――自らの子を酷く屠ったカッコウの雛を――かいがいしく育て、巣立たてます。

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 この「托卵」を逸話に引いて、「資本主義社会においては、カッコウのごとく賢く強くなるほかない! カッコウのごとく、現代を勝ち抜け!」と論じた御仁がいました。

 先日、その方とあるご縁に恵まれましたが、結果的にお断りを申し上げることになりました。

 カッコウの托卵を露悪的に経済活動の「弱肉強食」に擬えて論賛するなど、私が福生青年会議所に入会する際に重んじ、また入会後に涵養されてきた精神文化からは、あまりにもかけ離れた哲学にあるからです

Faith in God gives meaning and purpose to human life

 自らの「個」を超えた歴史や生命の連続性に人生の意義や目的を見出す。

 JCIクリードの冒頭の一節に照らせば、寧ろ、欺かれようと屠られようと命を慈しみ育むツグミのあり方こそJAYCEEとしての理想に近いではありませんか。

 

身を削る「真心」の文化

 先日、『海難1890』という映画を観ました。

 史実に基づいた感動的な物語でした。明治の黎明期、和歌山県串本沖で遭難したトルコの軍用船「エルトゥールル号」の乗組員を、貧しい現地の漁民が救います。

 救助にあたった漁民たちが暮らすのは、紀伊大島という小さな島の漁村です。一日漁に出なければ自分たちがその日食うものにもこと欠く暮らしのなか、老若男女全ての村民が心を一つにし、文字通り身を削るようにして、トルコ人船員の救助にあたります。

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 そこには「海の恵みによって活かされている民として、海で遭難した者は誰であれ必ず率先して救う」という精神文化・生活文化が生きていました。

The brotherhood of man transcends the sovereignty of nations

 この史実によって紡がれたトルコと日本の「国家の主権を超越」した絆は、時を超え、イラン・イラク戦争や東日本大震災に及んでもその篤い友情が実像を結びます。

 映画の中で、漁民たちの献身の動機やその背景にいきづく文化が、「真心」という言葉で言い表されていました。

 

「明るく豊かな社会」とは真心や志に満ちた社会

 

 日本の青年会議所は戦後間もない焼け野原の東京から立ちがりました。

 誰もが食うに事欠く焦土の上に「戦後日本の再健は我々青年の仕事である」という篤い使命感と決意によって立ち上がったのがJCであります。

 我々には、この先輩方の「志」を受け継ぐ覚悟と資格が宿されています。

 再び映画からの引用になりますが『デビッド・ゲイルの生涯』という映画の中で次のようなセリフに出会いました。

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Living by your wants will never make you happy.

(欲望に生きることは幸福でない)

What it means to be fully human is to strive to live by ideas and ideals.

(真に人間らしく生きるためには、信念と理想によって生きようと努めることだ)

Not to measure your life by what you've attained in terms of your desires, but those small moments of integrity and compassion, rationality, even self sacrifice.

(どれだけ欲望を満たしたかによって自身の人生を計ろうとしてはならない。人生は、その瞬間瞬間における誠意や思いやり、純粋な理性、あるいは自己犠牲によって決まる)

Because in the end, the only way that we can measure the significance of our own lives is by valuing the lives of others.

(自身の生がどれだけ尊いものか。それを計るのは、唯、他者の生にどれだけ価値をもたらしたかによる)

 

 そして最後に『アドラー心理学入門』(岸見一郎)より。

「全人類のために何かをするというのではなくて、あるいは全人類を何とかしようというのではなくて、今日ここでこうして接しているこの人との関係を少しでもより良いものに変えようと努めることが、ひいては全人類を変えることにつながる」

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 一年間、2015年度福生青年会議所を支えていただき本当にありがとうございました!

 

 2016年は、偉大なる太田理事長を後世に福生青年会議所「中興の祖」と呼ばしめるべく、心を一つにしましょう!

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プロフィール

第38代理事長  堂西利弥
1980.7.13生

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